月下のふたり ~もういない君は、この恋を許さないだろう~


この人は私の好きな人じゃない。

手の感触も息遣いも全部違う。

同じDNAを持った別の人―――。


令と臣は双子の兄弟。

私、奈都とは幼馴染でいつも3人一緒だった。

でも、私が好きになったのは1人だけ。


私は令が好きだ。

だけどその時はまだ、気付いていなかった。

太陽を目指して月の明かりを頼りに歩いていることに…。


そして高校受験を控えたある日、令が不治の病に侵されていることを知る。

私達3人の歯車が、狂い始める―――。


「令は“おきて”で臣は“家来”。

双子でも、役割があるんだよ。

臣…お前には譲らないから。

お前は後でいいだろ。俺がいなくなってからで。」


電子書籍(全25話)